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AI 検索対策で実際にやること — llms.txt より先に確認する設定

AI 検索対策で実際にやること — llms.txt より先に確認する設定

最終更新日: / 公開日:

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本記事のポイント

  • AI 検索対策で実際にやることは、新しい施策ではなく 4 つの点検です。①robots.txt / WAF の AI クローラー許可 ②Bing・Brave という「裏のインデックス」の確認 ③Search Console 生成 AI パフォーマンスレポートと GA4 リファラでの計測 ④AI に自社ブランドがどう理解されているかの定点確認
  • 点検①の肝は、検索用クローラー (OAI-SearchBot / Claude-SearchBot 等) と学習用クローラー (GPTBot / ClaudeBot) の区別です。学習を拒否しながら AI 検索への露出は維持できます
  • 4 つとも費用ゼロの点検です。巻末キットで、自社の robots.txt の判定と、AI のブランド理解の監査をそのまま実行できます

「理屈は分かりました。で、明日からは何をすれば?」。AI 検索対策の相談では、ひととおり説明を終えると必ずこう聞かれます。実は、新しく作るものはありません。確認しておきたい場所が 4 つあるだけです。本記事ではこの 4 つの点検を、優先順に手順つきで解説します。用語や Google の公式見解のおさらいは前回の整理記事に譲って、ここでは手を動かす話だけをします。どの点検も管理画面とテキストファイルの確認で終わり、判定は巻末のキットで AI に任せられます。

1. AI 検索対策の実務は「4 つの点検」— 作るものはありません

最初に全体像です。優先順に並べています。

点検 何を確認するか 所要目安
① robots.txt / WAF 検索用 AI クローラーを誤ってブロックしていないか 30 分
② Bing・Brave Google 以外のインデックスに自社が載っているか 30 分
③ 計測 AI 経由の表示・流入を見る場所を用意できているか 1 時間
④ ブランド理解 AI に自社がどう認識されているか (四半期の定点) 30 分 / 回

4 つに共通するのは、どれも「新施策」ではなく「点検」だという点です。追加の費用はかかりません。

llms.txt の設置やコンテンツの改修より先にここを確認するのは、AI の回答が検索インデックスの上に作られるからです。クローラーが入って来られて、結果をこちらから観測できる。この 2 つが整っていないと、コンテンツを磨く以前の話になってしまいます。

AI 検索対策の 4 つの点検マップ — 作るものはなく、確認する場所が 4 つ

2. 点検① robots.txt と WAF — 検索用クローラーを誤って弾いていないか

「AI に勝手に学習されたくないので、AI ボットは全部ブロックしています」。この設定が、AI 検索から自社を消している典型例です。

AI 企業のクローラーは役割別に分かれており、扱いを変えるべきです。

役割 ボット名 ブロックした場合
検索用 (ブロック厳禁) Googlebot / OAI-SearchBot / Claude-SearchBot / Claude-User AI 検索・AI 回答での表示機会を失う
学習用 (方針次第で可) GPTBot / ClaudeBot 将来のモデル学習から除外されるだけ。検索表示には影響しない

OpenAI は「ChatGPT の検索に表示されるには OAI-SearchBot をブロックしないこと」を公式ガイダンスとしており、Anthropic も「Claude-SearchBot / Claude-User をブロックすると検索でのサイトの可視性・正確性が下がる可能性がある」と公式ヘルプに明記しています。「学習は拒否したいが、AI 検索には出たい」という要望は両立できます。学習用 (GPTBot / ClaudeBot) だけを名指しでブロックし、検索用については何も書きません。robots.txt は、書かなければ許可という扱いになるからです。

「学習は拒否・検索には出る」を両立する robots.txt の記述例

よくある失敗が 2 つあります。1 つは User-agent: * への Disallow で全ボットを巻き込むこと。もう 1 つは robots.txt は正しいのに、WAF や CDN のボット対策機能がサーバー側で AI クローラーを弾いていることです。robots.txt の確認だけで安心せず、WAF / CDN の管理画面でボットブロックのルールも見てください。なお Anthropic は「IP アドレスでのブロックは正しく機能しない場合がある」とも案内しており、制御は robots.txt が基本です。

→ 自社の robots.txt の判定と修正案の生成は、巻末の 実行キット① (所要 10 分) でそのまま実行できます。

3. 点検② Bing と Brave — Google 以外の「裏のインデックス」

「Search Console は毎週見ています。Bing? 開いたこともないです」。Google しか見ていない体制では、ここが盲点になります。

前回整理したとおり、ChatGPT の検索は Bing 系のインデックス + 自社インデックス (構築中) を使い、Claude は Brave Search 系とみられます (公式非公表)。つまり Google に何も問題がなくても、Bing や Brave に載っていなければ、その分の AI 回答には出られません。確認は 30 分で終わります。

  1. Bing Webmaster Tools に登録する — Search Console からのインポート機能があり、初期設定はほぼ流用できます。インデックス状況とクロールエラーを確認します
  2. Bing で site:自社ドメイン を検索する — 主要ページが載っているか、タイトル・スニペットが崩れていないかを目視確認します
  3. Brave Search でも同様に確認する — brave.com/search で自社名と主要キーワードを検索し、表示のされ方を見ます

よくある失敗は、Bing のインデックス数が極端に少ないのを放置することです。原因の多くは robots.txt や WAF での Bingbot ブロック、または Bing 側にサイトマップを送信していないことで、どちらも点検①の延長で直せます。

4. 点検③ 計測 — 生成 AI レポートと GA4 リファラの 2 本立て

「AI 対策の効果って、どうやって測るんですか」。測る場所は 2 つに分かれます。

  • Google の AI 機能 → Search Console「生成 AI パフォーマンスレポート」 — AI Overview などの生成 AI 機能でコンテンツがどう表示されているかを確認できる公式レポートです。まずここで、自社ページが AI 機能に出ているかの現在地を把握します
  • ChatGPT・Claude 経由の流入 → GA4 のリファラ — 両社に Search Console 相当のツールはないため、GA4 の探索レポートで参照元に chatgpt.com claude.ai perplexity.ai を含むセッションを抽出します。GA4 の基本設定は GA4 での BtoB リード計測の記事で解説しています

ここで測りたいのは施策の ROI ではなく、「自社の顧客の調べ物が AI に移り始めたか」です。

AI 経由の流入が伸びてきたら、そこが比重を変えるタイミングです。逆にほぼゼロなら、いまは AI 専用の投資を増やす理由がない、と判断できます。あわせて Google が公式に注意喚起しているとおり、「AI 検索での順位を保証する」「内部指標を使っている」と謳う計測ツールには警戒してください。

5. 点検④ AI のブランド理解 — 表出率ではなく「どう理解されているか」

「ChatGPT で自社名を聞いたら、古い事業内容で説明された」。これが第 4 の点検で見つける問題です。

特定の質問で自社が何% 表示されるか (表出率) を KPI にする方法もありますが、AI の回答はパーソナライズされるため、同じ質問でも人と環境によって結果が変わります。数字の再現性が低いものを KPI に置くより、AI が自社をどう理解しているかを四半期に 1 回、定点で確認するほうが実態を掴めます。確認するのは 4 点です。

  • 自社は「何の会社」と認識されているか (事業内容は最新か)
  • 強み・弱みとして何が紐づいているか
  • どんな文脈・どんな質問のときに自社が出てくるか
  • どの競合と並べて語られるか

古い認識や誤りが見つかったときの直し方も、結局は SEO の王道に戻ります。自社サイトの情報を最新に保つ。サービス内容を分かりやすく書く。Web 上の主要な掲載情報 (プロフィール・ディレクトリ) を更新する。AI は Web 上の情報からブランドを理解するので、元の情報が古ければ理解も古いままです。

→ この監査は質問セットを固定してこそ定点になります。巻末の 実行キット② (所要 20 分) に質問セットと記録テンプレを用意しました。

まとめ — 点検 4 つで、AI 検索対応の土台は今日そろう

robots.txt / WAF の許可、Bing・Brave の確認、計測の 2 本立て、ブランド理解の定点確認。この 4 つの点検で、AI 検索対応の土台は揃います。新しい予算も専用ツールもいりません。半日、確認の時間を取るだけです。

まずは巻末のキット①に自社の robots.txt を貼るところから始めてみてください。用語や公式見解の背景はAEO・GEO・LLMO の整理記事にまとめています。

humbulls の Growth Partner サービスでは、コンテンツ SEO からこうした AI 検索対応の点検・計測設計まで伴走しています。

🤖 AI 実行キット

本文の点検を、そのまま AI で実行するためのキット集です。プロンプトは Claude (ブラウザ版で可) にコピペすれば動きます。

キット① robots.txt を貼って AI クローラーの扱いを判定する — 10 分

種別: 判断キット (6 ボットの判定表と修正記述例が出る) 使うもの: Claude (ブラウザ版で可) 事前に用意するもの: 自社サイトの robots.txt の中身 (https://自社ドメイン/robots.txt をブラウザで開いてコピペ)。WAF / CDN を使っている場合はそのサービス名も

プロンプト:

以下の robots.txt を診断してください。

【判断基準 (必ずこの基準に従うこと)】
- 検索用クローラー (ブロックすると AI 検索での表示機会を失う):
  Googlebot / OAI-SearchBot / Claude-SearchBot / Claude-User
- 学習用クローラー (ブロックしてもよい。検索表示には影響しない):
  GPTBot / ClaudeBot
- User-agent: * への Disallow は全ボットに効くため、個別の許可記述が
  ない限り検索用クローラーも巻き込まれると判定する
- robots.txt が空・存在しない場合は「全許可」と判定する (問題なし)

【自社の環境】
- robots.txt の中身:
  (ここに貼り付け)
- WAF / CDN: Cloudflare の Bot Fight Mode を有効化中(記入例。不明なら「不明」)

【出力】
1. 判定表: 上記 6 ボットそれぞれについて「許可 / ブロック / 巻き込みブロック」
   + 根拠となる行
2. 問題があれば修正版 robots.txt の記述例 (変更点にコメントを付ける)
3. WAF / CDN 側の確認ポイント: 記載されたサービスでボット対策が AI クローラーを
   弾いていないか確認する画面・設定名 (分かる範囲で)

出力の確認ポイント:

  • 検索用と学習用が区別されて判定されているか (「AI ボットは全部同じ」という出力なら基準を貼り直す)
  • 修正例が自社の方針 (学習を許可するか) と合っているか。学習可否は自社判断で、正解はありません

うまくいかないとき:

  • robots.txt が長すぎて判定が浅い → AI ボット関連の User-agent ブロックだけ抜き出して貼り直してください
  • WAF の設定画面が分からない → 「(サービス名) で AI クローラーの通過を確認する手順」とそのまま聞けば、画面の場所から案内されます

キット② AI のブランド理解を監査する — 20 分

種別: 判断キット (ブランド理解の記録表と、直すべき元情報のリストが出る) 使うもの: ChatGPT / Claude / Gemini (無料版で可。できれば複数で実行して比較) 事前に用意するもの: 自社名・主力サービス名。あれば前回の監査記録

プロンプト:

「(自社名を記入。例: humbulls)」について、以下の 4 点を教えてください。
知らない場合や情報が古い可能性がある場合は、その旨を正直に書いてください。

1. (自社名) はどんな会社ですか。主力サービスは何だと認識していますか
2. (自社名) の強みと弱みは何だと思いますか
3. どんな課題を持つ人に (自社名) を薦めますか。逆に薦めない場合は?
4. (自社名) と似たサービス・会社を挙げるとしたらどこですか

回答の後に、これらの情報の根拠 (参照した情報源) が分かれば教えてください。

続けて、出力の整理用に:

上の回答を、次の表に整理してください。
| 項目 | AI の認識 | 事実と合っているか (自分で記入) | 直すべき元情報 (自分で記入) |
行: 事業内容 / 強み / 弱み / 想起される文脈 / 並ぶ競合

出力の確認ポイント:

  • 事業内容が最新か (古いサービス名・終了した事業で説明されていないか)
  • 「並ぶ競合」が実際の競合と合っているか。想定外の並びは、ポジショニングの発信不足のシグナルです
  • 回答はパーソナライズや実行環境で変わります。1 回の結果で一喜一憂せず、同じ質問セットで四半期ごとに記録して傾向を見てください

うまくいかないとき:

  • 「その会社は知りません」と言われる → 異常ではありません。知名度の問題であり、まず自社サイトと主要な掲載情報の充実が先です。無理に言及を増やす施策 (不自然なメンション獲得) は公式に否定されています
  • 3 ツールで回答がバラバラ → 正常です。共通して出てくる認識 (良くも悪くも) が、Web 上の情報が作っている実像に近いと考えて優先対応します

参考文献